web悠果堂美術館通信(53)
本日20点の逸品を掲載いたしました。
新規の作家として12代酒井田柿右衛門の名作「御薬湯観音」(これはとにかく素晴らしい作品です)、
トルコ青で著名な加藤賢司、木村盛康の逸品「松樹天目壺」、新歓嗣、末広学などの作品がございます。
またお馴染みの河井寛次郎、村田亀水の作品も掲載しました。
人間国宝では、藤本能道、鈴木蔵、藤原啓、藤原雄の逸品がございます。
若手人気作家の若尾経の青瓷2作品も追加しました。
掲載作品の数がようやく1600点を越えましたが、これからも順次アップしていきます。
是非ご高覧下さい。
さらに深海宗竹(竹治)の初掲載の作品がございます。
深海宗竹は有田の作家で1849年(嘉永2年)に生まれ、明治期の有田焼の隆盛期を支え、香蘭社の経営にもタッチしたようです。
その卓越した技術により、明治30年帝室技芸員に内定しましたが、翌年死去して「幻の帝室技芸員」と言われました。
明治期の日本陶磁器は、多く海外にも輸出され沢山の名工を輩出しましたが、
今日彼らの作品を目にすると、その技術力と常に上を目指して努力する様が圧巻です。
「帝室技芸員」制度は、1890年から1947年まで57年間続いた制度ですが、
その間に陶芸家として認定された作家は、
清風与平、宮川(真葛)香山、伊藤陶山、諏訪蘇山、板谷波山の5名のみで、
今日の重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定に比べ、はるかに高いハードルだったことが想像できます。
上記5人の作品は、いまでもその優品が市場に出ると高額で取引されていますが、
彼らの代表作は殆ど美術館に収まり、市場ではたまにみられる程度です。
どこかで縁があればいいのですが・・・。
↓鉄赤筒花入
この花入は大きさも手ごろで釉調も気に入っている。
土が良かったのだろう。