web悠果堂美術館通信(42)
遅ればせながら、新年おめでとうございます。
本年も『web悠果堂美術館』を宜しくお願いいたします。
さて、本年最初のアップになります。本日(1/17)26作品をアップしました。
今回は、所謂「人間国宝」の吉田美統、清水卯一、14代酒井田柿右衛門、伊藤赤水の逸品をはじめ、
新規作家として九谷焼の中田一於の作品4点を掲載いたしました。
また当HPではお馴染みのジョルディー・セラ・モラガス、若尾利貞、前嶋五一郎、村田亀水、金重素山、鈴木三成、鈴木治の作品に加え、
美濃の俊英・若尾経の青瓷作品2作と中国古陶磁では耀州窯の青磁杯(この作品は小品ながら圧倒的な存在感があります)もございます。
また、林孝太郎の織部壺、若尾誠の青瓷壺なども掲載いたしました。
作家の複数の作品をご覧いただければ、その作家の目指すもの(目指したもの)や力量も見えるかと思います。
是非ご高覧下さい。
余談ですが、かつて白洲正子に「欠けた器を金とウルシで繕ってまた使う稀なやきもの好きの民族」(要約)、
と言われた日本人のDNAも最近は様変わりし、やきものに関心を示す人も多くはないように感じます。
それゆえ、やきものファンの立場で見ると現在ほど「陶芸家受難の時代」はないと感じています。
つい20年程前は、若手であっても陶芸家が作品を作るだけで生活が成り立ち、多くのファンが作家の生活と作陶活動を下支えしていましたが、
昨今の状況はそうした時代が文字通り昔日の感があり、殆んどの作家が「作品を作って生活を営む」という当たり前のことが困難な時代になって来たようです。
作家の活動を支えるため、妻がパートに出て生活費を確保するということも耳にしますし、
創作時間を削って陶芸教室の講師で糧道を確保しているなどの話も聞きます。
こんなお寒い状況下、それでも日本のやきものがこのまま衰退するとは思いませんが、
何か新しい転換を模索しないと、良い作品もだんだん生まれなくなるのではないかと危惧しております。
諸兄・諸姉のご支援を願います。
↓黒茶碗
窯出しの後すぐに甥が全部持って行って手元には無い。
使いやすいとお世辞を言っていたが、
飯椀として使っているようだ。
まあ、何に使ってもいいけれど。