web悠果堂美術館通信(59)
本日(5/16)新規作品33点をアップしました。
新規掲載作家として、故・古谷道夫の子息・古谷和也の作品があります。
古谷道夫は、私たちが薪窯を始めたころのリーダーが好きな作家で、彼の代表的な作品である偏壺はリーダーをはじめ何人かの仲間が模倣したものでした。
私自身は、薪窯作品に荒々しさや力強さよりも端正さを求めたので、あまり影響は受けなかったように思いますが、
彼の薪窯に関する著作は買い求めて読んだ記憶があります。
さて、
今回は人間国宝の鈴木蔵の湯呑(これは一見の価値あり)、加藤孝造の黄瀬戸花入れ、清水卯一の萌黄瓷大鉢(これも実に素晴らしい作品です)をはじめとし、
亀水先生以下、私の好きな作家を沢山アップしました。
亀水先生の「高麗青磁象嵌茶碗」は電気窯焼成のものですが、全く同じもので薪窯で焼成した作品(こちらの作品は雲鶴文のペア作品がふたつ)も載せてありますから、
是非比較してみてください。
河本五郎、塚本司郎、室町勝廣、伊勢崎満、山本雄一、浦上善治、上瀧勝治など私が評価する作家が揃いました。
また、加藤清之、三原研、黒田隆の作品は複数アップしましたので、以前の掲載作品と共にご高覧頂ければ幸いです。
それにしても、作家それぞれの個性がハッキリと表現された作品を見ると、作り手の人格や価値観も見えるようで、
作品を眺めるだけで至福の時を持つことが出来ます。
やきものの魅力は他の芸術作品と比べた時、手に持ったり唇で触れてみてその質感や量感を肌で味わうことが出来る、という点にあると思います。
絵画や彫刻、写真などと違って、手や唇が感じる感覚がやきものの特性かと思っています。
もちろん鑑賞という視覚から生まれるよろこびもありますが、やはり「触ってなんぼ」ですからやきものの鑑賞は掌で触れることが必要だと思います。
どこの美術館も不測の事態を想定してか、ガラス越しでしか作品を見ることが出来ませんが、
希望者には触れる機会を設けるという鑑賞方法を検討してほしいといつも願っています。
↓六角皿の試作品
色も形も改善の余地が多くあり、縁の部分が大きすぎるとか少し浅いなどの点で改良が必要で、
その点を少し変えた分、最近はもう少しまともなもの(使いやすいもの)が出来始めた。
去年の5月から意識的にろくろを離れているが、これからろくろに戻った時、
どういった変化が生まれてくるのだろうと思っている。