web悠果堂美術館通信(50)

Web 悠果堂通信

本日(9/21)、20点の作品をアップしました。

今回は「人間国宝」の近藤悠三、松井康成、および文化勲章受章者・楠部彌一の若い頃の作品と思われる逸品を掲載いたしました。

これらの作品を見ると、『文化財保持者』や文化勲章に認定される前の、作家の秘められた情熱や才能がよく見えると思います。

中でも「染付」で『文化財保持者』に認定された近藤悠三の作品は、高麗青磁写しの逸品でこの手の作品は私個人は初見のものですが、

作者に対する私の認識を根底から覆す作品でした。

おそらくこの作品は、戦前の帝展や文展に出品されたもの、若しくは出品作の姉妹品かと思われますが、

作者のよく知られた「染付」や所謂「土焼」とは全く趣を異にする大作です。

まさに「栴檀は双葉より芳し」と改めて認識させられます。

是非ご高覧下さい。

 

 

また新規の作家として岡野法世、星野聖、鈴木五郎、奥磯栄麓、寺池静人、沢田嘉予子、坂田泥華の秀作があります。

沢田嘉予子の作品は、女流作家には珍しい大型の尊式花入で、尊式花入の好きな私としては、

これだけの大作を破綻なく挽けるろくろ技術に尊敬の念が禁じ得ません。

 

 

その他、林孝太郎、鈴木三成、上瀧勝治、津金日人夢、今井政之、岸本謙仁、塚本司郎、山本雄一などの逸品がございます。

偶然ですが、今回は私の好きな形状の「梅瓶」、「砧」、「尊式(尊形)」の花入が多くなりました。

上記3種の形状は私も度々作るのですが、まだまだ納得できるものが出来ません。

いつかは納得するものをと思っていますが、「日暮れて道遠し」と焦る日々です。

 

 

↓鉄釉一輪挿し

私が知っているすべての「焼成方法」で2度焼きしてみたらこんな色になった。

素焼きが終わったものがまた溜まって来たので、もう一度この焼成方法でやってみようと思うが、

2度焼きはなかなか手間がかかる上に、本業の急な仕事が入るのでどうしても先送りしてしまう。

私個人はこの光沢のある紫色はいいと思うが、さて周りの評価はどうだろう。