知らなかった(ミミキレの近況と写真)
父の7回忌をした。
父の妹3人をはじめ15人ほどのささやかな法事で、その後実家で食事をしてもらった。
施主として寺との打ち合わせや食事、花、菓子折りの手配など、生来が几帳面(なよう)だから割合気疲れし、
終わってホッとしている。
何かの折、身内に限らず向こうにいる友人のことがふと頭に浮かんだり、夢に出てきたりすることがある。
こうした傾向は老化現象かと思うが、死者への供養と思って脳の勝手な動きに任せている。
歳をとるに従い、眠りが浅くなり夢をよく見るが、思いもしなかった人が夢に出て来て、そのきっかけが判らず困惑することもある。
私の知らないところで、私がそうであるように誰かが父や妻のことを思い出すこともあるかと思うと、
名状しがたい思いに駆られるが、礼の言いようもない。
さて、
実家での食事が終わったころ、庭に居ついたミミキレが顔を見せ、
私がミミキレが庭に居ついたことや決して人間に近寄らないことなどを話したところ、
一番若い甥が、耳が切れているのはケンカで傷を受けたのではなく、
ボランティアが野良猫の避妊手術をした目印で、そういうことが全国的に行われていると教えてくれた。
ミミキレは左の耳をカットされているが、おそらく左右のカットで雌雄を決めてあるのかもしれない。
まったく知らなかった。
ミミキレが庭に住みついたのが7/10頃だったから、かれこれ70日ほど経過している。
何時まで経っても警戒心が強く、決して人間を受け入れようとしない。
2ヶ月以上、朝晩ナナの残り物のキャットフードを与え、奴も庭でいつも私(食事)を待っているのに決して心を開くことはなく、
何かあればすぐ逃げ出せる体勢で餌を食う。
幼い頃に人の手で捕えられ避妊手術で痛い思いをしたことがトラウマとなり、以来人間に対して心を閉ざしたのかもしれない。
ミミキレが決して警戒心を解かず、いつも周囲を気にしている理由がよく判った気がし、
同時に証明付きの野良だということも分かった。
近頃では工房にある粘土を寝かせる発泡スチロールの空箱を勝手にねぐらと決め、
夜は殆どそこで寝ているようだ。
庭には近所の10匹近い猫が出没するが、工房の中なら目立つこともなく安眠できるから勝手にねぐらと決めたようだ。
あと3か月もすると冷え込むようになるが、ミミキレにこれ以上深入りをすると負担が増えるばかりだから、さてどうしよう。
平日はともかく、休日にも餌やりがあるから休日の朝寝も出来ないし当然遠出も出来ない。
ボケ防止には積極的に外出し人と交わるのがいいとよく言われるが、人付き合いが好きでない上に、
猫の世話で外出もままならないでは、ボケが早まるばかりだろう。
こうなれば、ミミキレが警戒心を解くまで根競べでのんびり付き合うしかないが、
何時になったら30cmのバリアーを越えることが出来るだろう。
『老人と海』はさまになる物語だが、「老人と野良」では侘しいばかりだ。
↓鉄釉砧(4)
どれも似たようなものだが、どれもがイマイチ。
いま思うとウエストをもう少し細くし、首をもう少し伸ばせばよかった。
何のことはない。美人の条件と同じということだ。
↓
いつもこの姿勢で餌を待っている。
わざと無視して家の中にいると玄関でずっと待っているが、
「エサやり人」の苦労はまったく知らない。
ノー天気でいいなあ。