巣立ちの後に(野良ブスの写真あり)
7/15(土)の朝、5羽のツバメが順次巣立って行った。
その後、数羽が巣に戻ったり出たりを繰り返したが、7/17(月)には姿が見えなくなった。
実家の前の電線に7羽のツバメを見かけるから、きっと巣立って行った家族なのだろう。
これからどこでどう生きていくのか不明だが、とりあえず無事を願うだけだ。
来年また帰って来るのかどうか判らないが、5羽が欠けることなく巣立ちホッとしている。
これまで多少ツバメに気を使っていた工房も、思いのままに使えるのが何よりだ。
巣立ちに際し、ツバメに感傷は全くないだろうがこちらには小さな寂寥がある。
「さよならだけが人生だ」とはよく言ったものだ。
「去る者あればまた来たる者あり」というが、1週間ほど前から薄汚れた白黒の斑猫が庭に常駐し始めた。
飼い猫なのか野良なのかよく判らないが、痩せて小柄で尻尾の曲がった猫だ。
喧嘩でやられたのか、右の耳が少し欠損していて見るからに器量が悪い。
死んだナナのために買っておいた餌が沢山残っていたので、一度気まぐれに少し呉れたら文字通り味をしめたのかずっと庭にいる。
いつ実家に行っても何処からか姿を現すから、庭に住みついたのかもしれない。
かといって警戒心は強く、30cmほど近づくとフーと声を上げて私を威嚇する。
エサを与える人間を威嚇するなんぞ、可愛げのないブス猫の分際で生意気だと思うが、
ナナの為の餌がたくさん残っていてゴミ出しするのも抵抗があったから、
無くなるまでは残りのエサを呉れてやろうと思う。
「富士には月見草がよく似合う」は太宰、「野良には残飯がよく似合う」は私。
このブス猫は、
育ちが卑しいからか、それともずっといじめられてきたからか、餌を食っている間も絶えず周りを気にしてキョロキョロしている。
あまりにも痩せているから、これからナナが残した餌を沢山呉れ、いまよりも倍の体格、体重のデブ猫にしてやろうと思っている。
身体が少し大きくなれば、押し出しが効いて苛められることが減るかもしれない。
「海より深い愛」とはこういうことを言うのだろう。
ブス猫は、野良(?)特有の図々しさもあり、当たり前のように工房に入って来るから、いつも脅かして追い払っている。
そのくせ遠くまで逃げるわけでもなく、日陰に座ってうつらうつらしている。
今の痩せた姿をアップした。1~2ヶ月して肥満したらまた撮影をしてアップしようと思う。
この痩せブスが食い尽くすには、半年以上かかるナナのエサが残っている。
ダイエット食品や健康器具の宣伝で、よく「使用前」と「使用後」の対比写真を見かけるが、
逆ダイエットで丸々太った野良(?)をアップできればと秘かに微笑んでいる。
痩せたブス猫よりも太ったブス猫の方が少しは愛嬌があるだろう。
家猫の2匹は、エサの呉れ過ぎで太り過ぎだ、と娘が帰るたびに注意されるので面白くないから、
この野良ブスが狸のように丸々した顔になるまで、高カロリーのエサをたっぷり食わせよう。
実家での秘かな楽しみが一つ増えた。
↓黒い鉢
鬼才・鯉江良二の作品に「白い茶碗」と箱書きしたものがある。
なるほどこうした表記も有りかと思ったことがあるから、それに倣って「黒い鉢」とした。
食器としては一番使いにくい色だろう。
冷やっこやそうめんの時にでも出番があるかな。
個人的には「カセた黒」が好きだが、やきものの黒の色の良し悪しがよく判らない。
巷間、「濡れたような」とか「漆黒」とか「深い黒」とかいうが、
これが黒の頂点という作品にはまだお目に掛かったことが無い。
↓庭に住みついた野良(?)ブス
野良だからか警戒心が強く、食い意地だけ張っている。