取りあえず
取りあえず、年度末の完成検査がすべて終わった。
ここ数年は無理をして仕事を受注することもないから、以前のように雨の日に合羽を着て現場で作業ということもなくなった。
その分受注高は減少の一途だが、仕事の質を落とさずに利益を確保するとなれば器にあった量ということになろう。
正月明けから年度末まではなんとなく気ぜわしいが、これから少しだけ解放される。
と言っても、もう4月以降の仕事確保が必要になるからそうのんびりも出来ないが、少し自分の体勢を立て直す時期になった。
最近は舗装工事に特化して受注をしているが、舗装工事は短期間に大量の重機や人を必要とし、その分仕事は早く終わるが、
辛いのは土木工事に比べ1~2週間ほどで現場が終わってしまい、次の現場着工まで待ちが長いことだ。
各現場の利益はあがっても次の現場が始まるまで繋ぎの仕事が少ないから、どうしても利益を食ってしまう。
これから社員は暫くはのんびりできるが、シャチョウはそうはいかない。
3月下旬に工事を受注したが、これとて正味1週間ほどで終わってしまうから、その前と後を埋める仕事を確保しなくてはならない。
毎日舗装工事が出来れば蔵だって簡単に立つのだが・・・。
3月末になり少しゆとりが出来たので、会社の横にある宿舎の解体に着手した。
この建物はむかし結婚したばかりの社員夫婦が2組入居していたが、彼らも家を求めて退去し、
その後は冬場青森からの出稼ぎの宿舎に使用していたが、出稼ぎの人たちも高齢化し、多い時は6~7人居たが一昨年からは来なくなった。
忙しい時期、青森の出稼ぎにずいぶん助けられたが、高齢になって出稼ぎに来なくなってから、何人かは亡くなっているから、
時間だけは確実に流れている。
そんな宿舎も随分古くもなったからここで思いきって解体に着手した。
父が建てた建物がなくなることに一抹の寂しさもあるが、跡地をどう利用するか考えることで寂しさも少しだけ軽くなる。
駐車場のスペースは十分あるから果樹園にでもしようか。
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実家の庭にも春。
なにも手入れをしない植木も咲く時期が来れば自分で咲く。
手前の紅梅は2月末に咲き始め、白梅は1ヶ月遅れて花をつけ始めた。
枝が伸び放題だが、手入れの時期や仕方が分からずずっとそのまま。
それにしても綺麗に咲いたものだ。
ナナという主が居なくなっても梅は春を忘れずということだ。
残酷な気がする。