web悠果堂美術館通信(66)

Web 悠果堂通信

1/31(金)新規作品37点をアップしました。

新規の掲載は加守田章二の灰釉壷をはじめ、14代今泉今右衛門、大野耕太郎、市岡和憲、坂本素行に加え、

今青瓷作家で一番注目されている志賀暁吉の大作2点があります。

 

志賀暁吉作品は「日本陶芸展」で大賞を受賞した青瓷の壺と同じフォルムのものです。

加えて、数年前から挑戦を始めている米色青瓷の壺があります。

志賀君は鈴木三成先生に師事した作家で、私自身も三成先生の薪窯の初窯焼成の応援のときに会ったことがあります。

当時は文化学院の生徒で初々しい青年でしたが、若くしていきなり日本陶芸大賞を受賞したときは驚いたものです。

東北大震災での被災など、多くの苦労を重ねたはずですが、穏やかな人柄は変わっていないようです。

多くの苦労を糧にして、陶芸作家として大成することを願っています。

 

また市岡和憲は亀水先生の最後の弟子で、磁器の急須にこだわって作陶活動を続け、これからも急須一本でやっていくと話していました。

先日静岡陶芸美術館に来館してくれましたが、穏やかで控えめな語り口のなかにも急須へのこだわりが強く、

人柄も相まって職員全員をファンにして京都へ帰っていきました。

私個人は、何よりも亀水先生の急須作りの精神と技が彼に引き継がれていることに安心しました。

亀水先生の急須と比べると、どうしても「作った数の差」による熟練度の差が見られましたが、

これから数をこなすことによって熟練していくことでしょう。

急須に拘るということは、今の時代では非常に前途多難だと(はたして需要があるのか?良いものを理解してくれるファンがある程度いるのか?等)

容易に想像が付きますが、是非とも頑張って前に進んで欲しいと思います。

3点の急須をアップしてありますので、どうぞご高覧ください。

 

現在、静岡陶芸美術館では「絢爛たる色絵磁器」展を開催しております。

3/29までの予定ですが、その後は「凛として!青磁と白磁」展を開催します。

当然、志賀暁吉、市岡和憲両者の作品も亀水先生、三成先生の系譜に連なる作家ですので展示いたします。

ご来館の上是非ご高覧ください。

 

↓最近の筒花入れ

最近はこの手のものばかり作って焼成している。

その都度、釉薬を変えたり土を変えたりしているので作品という名のテストピースのようだ。