ままならぬ時はままならぬままに
28【日】から薪窯の焼成をします。
予定は31日(水)の夕方くらいまでで80時間強になります。
一緒に薪窯を始めた友人たちも、ある人は鬼籍に入り、ほとんどが高齢で火番が出来ず不参加で、
一人の焼成になります。
当然身体はきつく、夜の寒さも厳しいので辛いのですが、頭の中には色々な作戦がうごめき、
期待と不安がせめぎ合っています。
私の薪窯は、おそらく他の薪窯と同様「くせ」があり、1150度からはなかなか温度が上昇しません。
目標温度を1250度にしてあり、何とかこの温度に近づけようと悪戦苦闘するのですが、
1150度を超えると、それまでの好調な温度上昇がウソのように停滞します。
火の焚き方、湿度、風向きと風の強さ、気圧なども関係しますが、半日以上はいつも「凪」の状態です。
体は疲れ、残り時間も気になるので「凪」に入ると結構焦り、辛い時間が半日ほど続きます。
生来せっかちな私は、ここでいつもあわてます。
それまでと同じ火の焚き方を色々変えてみたりします。
要するにいっぱい足掻きます。
足掻いた末に事態が好転することは殆どないのですが、
この状態は滑稽なほど、人の生き様を彷彿させるようにも思います。
足掻けばあがくほど深みにはまるというやつでしょうか。
長年こうしたを経験していると、それなりの教訓を得ることもできます。
「ままにならない時は、ままにならないままに」というやつです。
ところがこれは、結構度胸や忍耐力が必要で、「言うは易く・・」です。
辛い状態から早く逃げたいというのは、人の性のようなものですが、
今度こそ、辛さの中に身を置き続けようと思っています。
((八角皿いろいろ)
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