web悠果堂美術館通信(2) 村田先生のこと
村田亀水先生の掲載作品が138作になりました。
花生など91作、香炉12作、煎茶道具35作です。
たぶん未撮影が同じくらいはあると思います。
今後も追加していきたいのですが、写真の撮影が出来ていません。
暫くご猶予ください。
「8代村田亀水」と申してもメジャーな「作家」ではありませんから、ご存じのない方が圧倒的かと思います。
もともと亀水先生は、いわゆる「作家活動」というものはやって来ませんでしたし、
御本人も「私は職人で、陶工です」と常々おっしゃていました。
「求められる作品を、求める人が納得し、喜ぶようなものを作る」というのが、
先生のスタンスかと思います。
先生の作品はいわゆる「陶芸作家」の作品と比べて、オリジナルティー、独創性という近代芸術に求められる
「個性の表出」という点においては、一歩後退すると思われるかもしれません。
しかし、「陶芸作家」といわれる人たちが、「未消化の独創性らしきもの」を臆面もなく作品としてあらわす現代では、
むしろ貴重かつ稀有なやきものの作り手だと私は思っています。
技術もあまり習得できていない作品が、またそのラインに美しさのかけらもない作品が堂々とまかり通る
現代陶芸においては、数少ない「掃き溜めに鶴」の人だと思っています。
今年88歳の先生がお元気なうちに、せめて個展を開いてあげたいと常に念じていますが、
悔しいことに私にはその金と人脈がありません。
WEBで披露することしか出来ない自分の非力を恨みたくもなります。(愚痴!)
「やきものは畢竟、品性」といった人がいますが、私は大いに賛同します。
「写し物」と言われる作品であっても、先生の作品が醸し出す「品性」を感じて頂ければ、
村田亀水の作品を一番多く所有し、それらの作品からいつも喜びや感動をうけている私としては、
これに勝る幸せはありません。
それにしても、「陶芸作家」と言われる人の作品にあまり「品性」を感じないのは、
私の目が曇っているからだろうか?
(青瓷壺)